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全日本自転車競技選手権ロードレース

第88回全日本選手権自転車競技ロードレース大会

1. レース詳細

レース名 : 第88回全日本選手権自転車競技ロードレース大会

日時 : 2019年 06月 29日(日)13:15 スタート

天候 : 雨

クラス : 女子エリート+WU23

出走 : 60名

距離 : 140km

場所 : 富士スピードウェイ特設コース

主催 : 公益財団法人日本自転車競技連盟

 

2. 機材

フレーム : DE ROSA PROTOS

ホイール : Campagnolo Bora One 35 Clincher

タイヤ : Michelin Power Competition 700×25C

ペダル : LOOK KEO BLADE 2 TI

レースウェア : sportful

シューズ : SHIMANO

ヘルメット : Kabuto aero-R1

アイウエア : Kabuto 121PH

ケミカル : MORGAN BLUE

ドリンク : MUSASHI REPLENISH

テーピング : New HALE Vテープ・Xテープ

ボディメンテナンス : さくら治療院

 

3. リザルト

順位 氏名 チーム名 タイム

優勝 與那嶺 恵理 Alé Cipollini 4:19'42 

2位 金子 広美 イナーメ信濃山形 +03'47

3位 樫木 祥子 team illuminate +03'47

12位 西 加南子 LUMINARIA +13'34

 

4.レースレポート

 毎年のことだが,回数を重ねるごとに緊張感が増すレースというのは中々ない。もうこの先そう長く競技を続けられないかもと思うと1回1回が物凄く大切だ。

 どのレースも変わらないし,大切ではあるが,やはり全日本選手権は特別なものだ。

 私が日本一になったのはちょうど10年前,2009年の全日本選手権。今まで数えたことはなかったが,全日本に何回参加したか数えてみたら今回でなんと!丁度24回目だった。記念すべきニシ(24)大会だ。

     レース前日から天気は曇り,試走時間には雨も降り始めた。試走をして滑りやすいコーナーを確認し,その他グレーチングやマンホールの蓋位置など危険個所をチェックした。空気圧も走る前に調整し,その空気圧で行けるどうかも確認した。

 翌朝,外には深い霧が立ち込めていた。情報によると男子U23のスタートが遅れ,距離が短縮されているという。女子もどうなることやら・・・とりあえず,予定通りのスタート時間,距離のつもりで食事をした。今回は140キロと距離も長いので,いつものレースのように,ほとんど食べなくてもゼリー1本で大丈夫というわけにはいかない。比較的しっかり目に,かつ食べ過ぎないように朝食を摂り,スタートまで小まめに食べ物を食べる。

 レース会場はサーキットのパドックが使えたので雨の時は助かる。ローラーでアップをしてスタート30分前には自転車チェックとサインをしてスタートを待つ。

 思っていたよりも肌寒く,アームカバーをしてスタートすることにした。

     いつものことだが,スタート直前になると緊張感はなくなり,周りの選手のことも見えてくる。日本の女子レースにしては60名と多めの参加者が雨の中スタートラインに並んだ。

Photo:Satoru Kato
Photo:Satoru Kato

雨と風で思っていたよりも寒くて,早くスタートしてくれという感じだ。時間通りスタートして大きな集団のまま下りに差しかかかった。周回コースは10キロだが,ラスト3キロまではパレードという割にはスピードが速い。私も危険を避けるために前に上がってコーナーに入った。それでも一番滑りやすいコーナーは後輪がツルツルしているのか分かった。

Photo:Satoru Kato
Photo:Satoru Kato

 その後,2列になるのが一杯な細いコースに誘導され,坂を上るのだが,スタートしてからほぼ先頭で走る。その後もコーナーやグレーチングなど自分のラインで走りたかったのでほぼ先頭を走る。先頭にいれば当然脚を使うのをわかっていたが,スタートすぐに落車して辞めるのだけは避けたかった,そしてなにより怖かった。そのままほとんど先頭を走り2周完了。途中から転んで遅れるなら,脚が一杯になって切れる方がマシ,とちょっと投げやりな感じで走っていた。全日本でそんな考えで走っていた時点で負けなのだと思う。

©Makoto.AYANO/cyclowired.jp
©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

3周目補給地点の登りで與那嶺選手がスピードアップ,かなり脚が一杯ではあったので少しずつ位置を下げながら集団中ほどで登りをクリア,スタートゴール地点通過時には先頭の集団が前方に離れていた。

©Makoto.AYANO/cyclowired.jp
©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

その後2周くらいは先頭集団と差は30秒ほどだったが,詰めることができなかった。人数は多いのだがローテーションするメンバーは決まっていた。そして先頭の集団に乗っていなかったU23の選手は同じカテゴリーの選手同士で見合っている・・・ように見えた。

     同じレースで別カテゴリーの優勝がかかっているのだから,選手としては当たり前。それが日本一を決めるレースなのだから尚のこと。レース展開も変わるし,正直,このように同じレースをするのは複雑だった。3周目の與那嶺選手のスピードアップに遅れたエリート選手はもうそこで終わっているが,一緒のレースを走るのはどちらかというとU23の選手に不幸なことかもしれない。エリート選手をうまく使うことも考えないといけないから・・・。

 その後は20人程の集団で走るが,その時も危険を避けて,前を前を走っていた。こんなに先頭に出る時間が長いレースも初めてだ。

時折,霧が濃くなったり顔に当たる雨が痛いほど強い降りになったり,天候は全く良くはならなかった。路面状況もスタートからほぼ変わらず,常に位置取りとブレーキングに神経を使って走り続けた。

Photo:Satoru Kato
Photo:Satoru Kato

 周回ごとに集団は人数を減らして10周目を過ぎるころには6名ほどになっていた。ラスト4周ほどはもう根性で先頭交代をして集団で走った。ここまで走ったらなんとか完走したい気持ちだった。

 ラストのジャンが鳴り,トンネル後の登りで6名の集団もバラバラになった。私は下山選手とゴールを目指すことになった。ラスト少しだ!と必死に走っていたら下山選手は離れてゴールはひとりだった。お互いに必死だった。

Photo:Satoru Kato
Photo:Satoru Kato

     路面状況が悪いとか,怖さがあったとはいえ,私が飛び抜けて力があるわけではないからスタート後に先頭を走り続けてしまうのは勝負する気がないのと同じなのだと思う。全日本という大切な大会なのに自分の力を有効活用する冷静さがなかった。ただビビってただけかなあ・・・?